実施履歴
赤澤 良太 先生 (広島ハートセンター 循環器内科)
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症例:80歳代女性
診断:不安定狭心症
病歴:LAD#6 ostiumの石灰化結節による高度狭窄に対して、3週間前にCABG(LITA-LAD, SVG-D1)が施行された。退院前にLCX#13CTOに対してPCI予定であったが、術前の冠動脈CTでLITA閉塞が疑われた。CAGでもLITA近位部閉塞を認めたので、Native LADに対してPCIを行う方針とした。8Fr SPB3.5SHをエンゲージしSION black with Zizaiでワイヤリング。ワイヤーはMLDを通過した後、#7で引っかかるため、SUOH03に変更して末梢まで通過させた。1.0mmセミコンバルーンで拡張後もIVUS不通過。ワイヤーをRota floppyに変更して、burr1.5mm、2.15mmとサイズアップして病変部を切削した。2.15mmでの切削中に一時ペーシングを要したが血行動態は安定していた。IVUSで幸い正円形のルーメンが得られていたため、2.5mm DCB 4atmで薬剤を塗ってTIMI IIIで終了した。
今回の症例は、ADL杖歩行、高度腎機能障害のある小柄な女性であり、(コスメティックではない)クリニカルに意味のあるPCIを行うこと(エンドポイント)が重要でした。改めて「木も見て森もみる」ことの大切さが沁みました。
ありがとうございました。