実施履歴
渡部 友視 先生 (鳥取大学医学部附属病院 第一内科)
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今回は細木先生にDCAをご指導いただきました。CTOじゃないんかい!という話にもなりますが、CTO-PCI以上に頻度が少ないDCA、自分も年間1例あるかないかの手技で毎回中途半端な出来で終わっていたり、おかしな削り残しができたりとCTO以上に課題を感じていました。
症例は労作性狭心症で左前下行枝♯7sub totalのような形の本幹とそこから大きな対角枝が出ている分岐部病変でした。CTで肺がん否定できない陰影もあり、複雑なstentingは避けたいほか下肢血管性状が悪く、できれば上肢アプローチだけで完遂したい、というのがこだわりポイントです。
DCA Academy@YESで予習しておいた8Frシースレスを用いて左手からCLS4.0が理想的なエンゲージを見せ、早々に終わるかと思いきや高度狭窄で対角枝にしかワイヤリングできず、DLCやらIVUS guideやら縦横無尽に繰り出し、本幹通過。
プラーク分布は奥が対角枝の対側(つまり術者がわ)、手前は下側とねじれて分布しており、この点も小生単独ではどう処理するか苦慮したかと思いますが最終的にstentlikeな造影所見となりDCBで終わることができました。PCIは知的作業であり、動画の共有だけでもかなりの部分のフィードバックが得られますが実際に来ていただくことでカッターの進める速さや透視を踏む・切るタイミング、リアルタイムでどこをエンドポイントにしてどうなったら危険なのかなどご指導いただけるのは継子の特権かと思いました。DCAはデバイス準備や持ち方なども特殊なので再確認できて良かったです。
お忙しい中ご指導にお越しいただき本当にありがとうございました。