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一般社団法人YES Foundation

 OCT Academy


●PCIとOCT

OCTは2007年にImagingワイヤーとOcclusionバルーンの組み合わせという形でロウンチされました。高解像の血管内画像は非常にセンセーションでありました。当時、研修医1年目で循環器をローテイトしていた自分にすら、OCTはIVUSに比べてプラークの線維性皮膜の厚みや、ステントの圧着などが極めて鮮明な画像で見えることが理解でき、感動を覚えた記憶が残っています。

しかしながらOcclusionバルーンによる血球除去手技は非常に煩雑で、必然とリサーチツールの域を脱せなかったOCTですが、2011年にRXタイプのカテーテル形状デバイスとして再ロウンチされたことをきっかけに臨床使用が拡大し、クリニカルデータも多く示されるようになりました。

特に恩恵が大きかったのは、ACSの発生機序とその分類への理解が深まったこと、そして石灰化病変の理解と治療戦略に変化をもたらしたことであると思います。

石灰化に関しては、IVUSでは分類が難しかった表在性石灰化・深在性石灰化・石灰化結節・結節状石灰化といった石灰化病変の多様性への理解が深まり、何と言っても石灰化の『輪郭』が見えるようになったことの臨床的なインパクトは絶大であると考えています。

さらにOCTは石灰化が治療手技によってどのように変化するか(RotablatorTMでどのように切削されるか、バルーンでどのように広かるか、広がらないのか)も教えてくれるデバイスであり、PCIの手技とその結果を明確に示してくれることで我々を育ててくれるイメージング手段であると感じています。

北川 勝英(心臓血管センター金沢循環器病院)


近年、OCTは石灰化病変や急性冠症候群の治療において、その有用性が確立しつつあります。石灰化病変に対しては、IVUSでは困難な病変輪郭の描出が可能であり、デバルキングデバイスやそのサイズ選択、切削効果や安全性の予測など、多岐にわたる場面で有用性を発揮します。また、急性冠症候群においても、その成因診断における優れた診断能が知られています。しかしながら、その有用性に対してのOCTの臨床現場での使用頻度は依然として限定的です。
本アカデミーでは、OCTの有効な使用症例や、リスク予測および管理のtipsを実際の症例を通して学べるコンテンツを豊富に提供しております。
ぜひご覧の上、明日からの臨床にお役立てください。

下地 顕一郎(済生会宇都宮病院)
2025年8月


OCTが本邦で保険償還されてはや14年になります。国内外での臨床研究の蓄積でOCTはIVUSに対する非劣性が証明され、イメージングモダリティとしての地位は確立したと言えます。さらに、高解像度のOCTは石灰化病変や急性冠症候群、分岐部病変において理論的にはIVUSガイドを超える最適なPCIを実現する可能性があります。石灰化領域の最近のトピックとしましてはIVLの登場で高度石灰化病変の治療の選択肢が増え、これまでのデバルキングデバイスとの使い分け/コンビネーションでのOCTガイドでの治療が追求されております。一方で、石灰化結節(eruptive/non-eruptive calcified nodule)に対してはいまだ有効な治療法は確立されておらず、その克服に焦点が当てられております。OCTはソフトウエアも刷新され、AIによる内腔/EEL、石灰化の自動表示やステント留置後の最適化も一瞬で判断できるようになり、ユーザーにとってさらに便利に進化しております。
OCTアカデミーにおきましてはこのたび、新たに第一線で活躍する講師陣が加わりましたので、会員の皆様に更に有用なコンテンツを提供できるよう、皆で盛り上げていきたいと思います。

黒木 一公(宮崎県立延岡病院)
2025年8月


最高顧問: 北川 勝英(心臓血管センター金沢循環器病院)
座  長: 下地 顕一郎(済生会宇都宮病院)
黒木 一公(宮崎県立延岡病院)
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