Tip detection for ADR
CTOに対するIVUSガイド、特に同軸subintimal spaceからの観察によるwiring法の導入は2000代前半、まだretrograde approachが確立する以前に遡ります。近年、桜橋渡辺病院の岡村篤徳先生等による3D wiringの概念の普及と、小径IVUSカテーテルや穿通力の高いワイヤーの上市により、本テクノロジーは大きな進化を遂げたと言っても過言ではないでしょう。一方でCTO PCIの経験の少ない先生方の中には、その方法論が理解しにくい、と感じる方も未だに多いかと推察します。今回、その理解の一助になる事を目的として3D imagingによるアニメーションビデオを作成致しました。本教材がこの新しいテクノロジーの今後の更なる普及と発展に寄与する事を祈念しております。
末筆ながら、本アニメーションの作成にあたり多大なご尽力を頂いた桜橋渡辺病院の岡村篤徳先生、田中康太先生並びに近畿大学奈良病院の鈴木智詞先生に厚く御礼を申し上げます。
2023年2月
土金 悦夫
日本におけるCTO・PCIは、先人たちの絶え間ない努力と研鑽の結果、世界をリードする領域となっております。しかし、antegrade approachは十分には理論化されておらず、卓越した術者のみの領域の感がありました。そのため、当院において3Dワイヤリング法の確立を試み、その過程で考案したIVUSガイドのTip detection法は、高精度のintraplaque trackingを標準化しました。さらには、CP12ST(土金先生、朝日インテック社)によりreentryルートの通過までもが標準化され、Tip detection-ADR by CP12ST法として、特に注目されていると感じております。このTip detection-ADR by CP12STは、卓越した術者だけではなく若手の術者でも施行可能ですが、幾つかのポイントがあると考えております。今回、このアニメーションビデオが、若手を含めたCTO術者のこの手技に対する理解への一助となればと思い作成させていただきました。
CTO・PCIにおいて、本法を含めた日本からの技術が世界をリードし、誰もが理解・施行できる普遍的な手技になることを我々は心より祈念しております。
2023年2月
桜橋渡辺病院 田中 康太 拝、岡村 篤徳 拝
近畿大学奈良病院 鈴木 智詞 拝