実施履歴
落海 祐介 先生 (広島ハートセンター 循環器内科)
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この度は、右冠動脈(RCA)#2 の石灰化病変に対する治療を担当させていただきました。石灰化病変でもありOCT(光干渉断層法)を用い病変評価を行いました。
#2のmidおよびdisセグメントにおいて石灰化の分布・形状が異なっており、各セグメントにおいてワイヤーバイアスにも差異が認められ、lesion preparationの方法選択が鍵となる症例と考えられました。
特に#2 disセグメントはcalcified noduleを呈し、かつwire biasも不良であったことから、ロータブレーター使用による血管損傷リスクが懸念されました。これを踏まえ、本症例ではIVL(Intravascular Lithotripsy)を選択いたしました。
結節そのものに明らかな亀裂を入れることは困難と考えられましたが、IVL施行後は周囲の石灰化領域には明確なクラックが確認され、血管内腔面積の拡大も得られておりました。
さらに、追加でKizashiバルーンを使用することで、亀裂がさらに拡大し、ステント留置後の十分な拡張が見込める状況となったため、ステントを留置し後拡張を施行し無事に治療を終了いたしました。
この度も、ご指導ご鞭撻を賜り、心より感謝申し上げます。

