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一般社団法人YES Foundation

2026年7月

山根 吉貴(広島ハートセンター)
山根 吉貴(広島ハートセンター)

広島ハートセンター心臓血管外科の山根吉貴と申します。 この度、YES Foundationにて心臓外科医として理事を務めさせていただくことになりました。大変光栄であると同時に、身の引き締まる思いです。

私は2010年に広島大学を卒業後、広島県内の病院を回り、川崎幸病院や順天堂大学で研鑽を積んできました。そして2024年11月に、現在の広島ハートセンターで心臓血管外科部門を立ち上げ、現在に至ります。

当院では低侵襲心臓手術(MICS)に力を入れており、弁膜症については主創3-4cmの順天堂式アプローチで行っています。

一方でCABGについては、長らく従来通りの正中切開による多枝バイパスを行っておりました。MICS-CABGについては以前から強く惹かれていたものの、なかなか本格的な導入に踏み切れずにおりました。そんな折、土金先生や当院の木村院長より「まずはMICSでのLITA-LAD1本からでもいいから、始めてみなさい」と背中を押していただき、2025年4月よりMICS-CABGをスタートいたしました。

内科医による精緻な手技でLADのCTOを突破することは、言うまでもなく素晴らしい技術です。一方で、LITA-LAD吻合という優れたデザインは、繊細な技術かつ長期開存率が期待でき、外科医ならではの真骨頂であると考えております。

最近では、MICS-CABGとPCIを組み合わせたハイブリッド治療(YESでの「Blended coronary revascularization」)の報告も増えてきました。私自身、正中切開での完全血行再建は外科医として誇るべき技術だと思いながらも、このBlended治療の魅力には以前から注目していました。 実際にMICS-CABGを始めてからは、症例を見極めつつBlended治療を積極的に取り入れています。

MICS-CABGは8-9cm程度の小切開で行うことができ、正中切開と比較して術後の回復が格段に早いです。さらに、LITA-LADの吻合クオリティに関しても正中切開と何ら遜色なく、むしろ長さの調節が容易であるため、より理想的で確実な仕上がりとなることが多いと実感しております。

多枝病変の患者さんであっても、その早い回復ぶりを見ていると、Blended治療がもたらす恩恵の大きさを実感しております。

それと同時に、今後は外科医としてさらに技術を磨き、より「高度な技術かつ確実な手術」を実現するために、MICS-CABGでの多枝バイパスにもチャレンジしていきたいと考えています。

今回、YES Foundationに理事として携わるにあたり、MICS-CABGおよびBlended治療のさらなる普及に尽力してまいります。この素晴らしい治療戦略を患者さんへ還元するためには、内科(PCI)と外科(CABG)という従来の枠組みにとらわれない柔軟なアプローチが不可欠です。双方の治療の強みを最適に組み合わせることで、患者さん一人ひとりに合わせたテーラーメイドの治療を選択することこそが、真のBlended治療と呼べるのではないかと考えております。

このYESというプラットフォームを通して、内科と外科がフラットな立場で、熱い議論ができる場を作っていけたら嬉しいです。YES Foundationのさらなる発展と、循環器医療の明日のために全力で頑張りますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。