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一般社団法人YES Foundation

2026年7月

中潟 寛(仙台市立病院)
中潟 寛(仙台市立病院)

このたび、若輩者ながら理事に就任いたしました、仙台市立病院の中潟 寛です。大変光栄に思うと同時に、その職責の重さに身が引き締まる思いでございます。

私は埼玉県三郷市で生まれ育ち、中学・高校時代を福岡および熊本で過ごした後、先祖代々のルーツである東北・福島との縁もあり、大学進学を機に仙台へと参りました。2012年に東北大学を卒業してからは、宮城県内のクリニックにおける地域医療から、現在の急性期病院での専門医療にいたるまで、医師として様々な立場で多様な背景を持つ患者様と向き合ってまいりました。「幼少期および医師人生を通じて多様な地域で生活し、異なる医療環境を自らの目で見てきたこと」は、私の大きな強みであると自負しております。そしてどのような環境にあっても、目の前の患者様に向き合い、常に「患者様ファースト」で最大限の医療を提供し、患者様やご家族が笑顔で帰っていかれること――この普遍的な原点は、私の根底に常に息づいています。

私とYESとの歩みは、コロナ禍に遡ります。移動や対面での学習が厳しく制限されたあの混沌とした状況下において、私に最先端の学びの場を提供し続けてくれたのが、YESでした。東北の地にいながらにして世界基準のPCIを学び、さらには全国の熱意溢れる先生方と繋がることができたのは、私にとって計り知れない財産です。多くの先生方に医師として、人として支えられながら成長できたことに、心より感謝申し上げます。現在のYESのプラットフォームはさらに充実し、リアルタイムで臨床の知がアップデートされる「いつでもどこでも開ける『生きた教科書』」へと進化を遂げております。この「生きた教科書」をさらに多くの先生方と共有し、学びを高め合う場として、さらなる発展に寄与していきたいと考えております。

現在、PCIは黎明期から成熟期へと移行し、かつてトップオペレーターのみに集約されていた高度な手技が、多くの医師へ標準化される時代を迎えようとしています。PCIの本質は、術前の緻密な戦略設計と、術中の動的かつ柔軟な戦術変更にあり、それらは感覚や経験に依存するのではなく、「論理的・物理的な思考」に基づいているべきだと学んできました。この論理的思考のプロセスを、次世代へしっかりと繋いでいく必要があります。

特にCTO-PCIにおいては、Antegrade Approachに始まり、Retrograde Approachの隆盛を経て、近年注目されているTD method、3D wiring、Penetration Plane method、subintimal tracking、HDRといったAntegrade Approachのさらなる発展にいたるまで、今なおダイナミックに進化を続けています。さらに、CTやイメージングモダリティ、AIをはじめとする最新ソフトウェアの融合により、多くの手法が選択できるようになった現代においても画一的な治療法はなく、症例毎に最適解の手技をオペレーター自身が選択しなければなりません。トップオペレーターの手技の本質のみならず、若手オペレーターが経験した課題を、YESを通じて質の高い症例共有と議論によって疑似体験し合うことで、私たちは互いの経験を高め、進化の最前線に立ち続けることができると確信しています。

さらには、PCIの発展のみならず、昨今の心臓血管外科におけるMICSの発展をはじめ、短時間かつ低侵襲な外科手術には目を見張るものがあります。CHIPに対し、かつてのような「PCI or CABG」という二者択一ではなく、症例毎にBlended PCIを含めた最適解を検討する柔軟性が求められる時代です。こうした外科手術の目覚ましい進化に対し、私たち内科医は決して受動的な存在であってはなりません。外科手術の技術が洗練されていくからこそ、インターベンショナリストである私たちもまた、最高峰の技術と戦略を磨き続ける必要があります。内科と外科がそれぞれの専門性を極限まで高め合った上で、対等なパートナーとして建設的なディスカッションを交わす。お互いの強みを最大限に引き出し合い、患者様にとって真の最適解となる治療戦略を共にデザインしていくこと――これこそが、諸先輩方がこれまで背中で示し続けてくださった「内科医としての使命」であり、これから私たちが果たすべき役割です。

YESが掲げる「人を遺す」という尊い理念を胸に、この刻一刻と進化していく時代においてこそ、YESの「生きた教科書」がきっと大きな力になると信じています。まだまだ勉強の身である私自身も一人のオペレーターとして常に高みを目指しながら、先輩方から受け継いできた熱い志と技術を、皆様とともに次世代の若い先生方へと繋いでいく所存です。

会員の皆様、ならびに関係各所の皆様におかれましては、今後とも変わらぬご指導、ご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。